島根デザイン連盟について
島根デザイン連盟とは
1研究的立場でのデザイン活動
デザイン活動は社会の動きを敏感にキャッチし反映する中で育つ極めて流動的な制作活動である。 したがって現代、多くの情報が乱れとぶ社会の中で、また、目まぐるしく変化していく生活の中で、常に、その変化に即応しながら進まねばならない。 時と場合によれば、その先頭に立ち、我々の生活の改善者としてのリーダーシップをとる時もでてくるわけである。 そのようなデザイン活動の使命を考えた時、デザイナー達は、制作活動を、ただ、漠然と惰性で行うことは許されなくなる。 すなわち、今日まで修得した技術で自己表現をすればよいということでは済まされない時代を迎えているのである。 そこには、社会の動きを一早くキャッチする情報収集感とでもいうもの、 また、それにともなって明確化される社会のニーズに答えるだけのアイディアとテクニックが必要となり、 しかも、社会を納得させるだけの理論的裏付けが、作品と制作態度を通して必要となるのである。 我々は、この様な社会変動に基づく多様に変化する生活の中で、デザインに対する社会の願望に応え、 デザイナーとしての使命を果す為に、常に研究的態度をもち、理論的裏付けを持った実験的作品を世に問いかけていく努力を払わねばならないと考える。
2デザイン活動と仲間意識
純粋芸術である絵画等を考えてみると、制作過程において、自己表現の追求の為に自分なりの方法と思考で活動が進められている。 そこには、社会の動きに左石されない、確固たる“自己をつらぬく”信念のようなものを求めようとする場面が見られる。 それは、極端ないい方をすると、孤独な追求とでも言えるかと思う。
さて、デザインの場合はどうであろうか。確かに、自分の信念をつらぬこうとする、その態度は普通の芸術活動も変りはない。 また大切さも同じである。しかし、忘れてならないのは、デザインの場合、常に第三者の要求が一枚加えられるということである。 すなわち、一つの条件の中での制作活動であり、社会情勢、人間個々の考え等を充分知りえた上での活動となる。 とすれば、たった一人で制作活動を進めて行くことが難しくなってくるのである。 常に新鮮を情報と、新しい技術の交換とを、あらゆる仲間を通じて吸収し、あるいは自己の考えを放出し、仲間の意見を求めながら活動を進めて行くことが大切となる。
さて、ここで地方都市の現状を考えてみよう。 デザイナーの数、デザインへの関心度、あるいは情報提供の機関、指揮的機関等どれをとってみても大都市とのハンディキャップは広がるばかりである。 意見交換の場の少なさは、地方都市の悪条件に比例し、社会からの手きびしい批判を受けないまま育つデザイン活動が生まれることにもなる。 以上の面を考えた時、道を同じくするものが結集して、自己の為、あるいはデザイン界の為に努力するところにデザイン連盟の使命があると思うのである。 多くの仲間の手の握りあいから、人間一人一人を理解し、自分白身にプラスとなるものを見つけ出し、 努力するところに社会に必要なデザインを生み出す原動力があり、また、地方のデザイン活動をより発展させる一番近道な手段でもある。 もちろん、我々の仲間意識はデザイン活動のみで結びついているのではなく、我々の長い人生において、人間としての結びつきも大切にするものである。
3島根デザイン界の礎としての立場
一つの創造活動が活発化していく為には、その母体となる組織が必要となってくることはいうまでもない。 特に地方都市の場合、近年、創造活動を推進する機会は増加しつつある。 それらの活発化していく創造活動を確実に受けとめ確実に推進する組織も活発化を要求されるのは当然である。 しかし、現段階でその組織の不活発も否定できない。 このことはデザイン界でも例外ではなく組織的動きの低調さはデザインへ興味を示す者達をただ一人で学習し、ただ一人で自分のみに話しかける現状に追いやっている。 これでは地方都市のデザインの発展性はなく、個々に、すぐれた活動をしているデザイナーが、その考えを気楽に世に問い。 仲間達に話しかけることのできる包容力のある団体を我々の連盟はめざさねばならないと考えている。 これから島根の地ではばたこうとするクリエーター達に暖かい目を向け、彼等が活躍できる“足場”の役目もしなければならないのである。 すなわち、我々は、県内外で活躍する、あるいはこれから活躍しようとするデザイナー達へのパイプ役的任務にあることを自覚しなければならないと考えている。 以上、三つのねらいを核として、ひたむきに活動を続ける所に島根デザイン連盟の存在の意義とこれからの発展はある。
島根デザイン連盟 規約
沿革
島根デザイン連盟沿革(1960~2008)
1960 | 松江商業デザイナーグループ発足(会員5名)/青宣会発足(会員9名) | |
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1961 | 8月 | 青宣会デザイン展(一畑百貨店) |
11月 | 島根宣伝美術会創立(会員8名)/第04回県展に商業美術部門設置、商業美術展(松江市公会堂・応募80入選24) | |
1962 | 4月 | 松江公告デザインコンクール毎日新聞紙上展 |
11月 | 第05回県展商業美術部門を宣伝美術部に改訂、宣伝美術展(松江福祉会館・応募85人選26) | |
1963 | 3月 | 宣伝美術展(浜田市・出品70) |
9月 | グループ「でるた」展 | |
10月 | 第06回県展宣伝美術展(松江市公会堂・応募50入選29) | |
1964 | 4月 | 審査会デザイン展 |
10月 | 第07回県展宣伝美術展(一畑百貨店・応募47入選25) | |
1965 | 5月 | 青宣会「でるた」合同展 |
8月 | グループ「めだま」展 | |
10月 | 第08回県展宣伝美術展(博物館・応募47入選35)青宣会の県展参加 | |
1966 | 5月 | 現展島根支部展 |
6月 | 島根宣伝美術会、青宣会が発展的解消、島根商業デザイナー連盟を結成(会員23名) | |
9月 | 第09回県展宣伝美術展(博物館・応募18入選16) | |
1967 | 10月 | 第10回県展宣伝美術展(博物館・応募83入選50)/曽田明氏県展功労者表彰) |
1968 | 10月 | 県展改組、美術、文芸、芸能の三部制となる/第01回芸文祭宣伝美術展(県民会館・応募102入選52)/県秀作美術展(博物館) 県公告美術協会レンタリング教室開催/曽田祐弘氏県章、県旗入選、採用 |
1969 | 1月 | 松江デザイン教室開催/川瀬仁治氏逝去 |
6月 | グルッペ「わかば」展 | |
11月 | 第02回芸文祭宣伝美術展(県民会館・応募88入選58)/県秀作美術展(博物館) | |
1970 | 4月 | 第01回島根商業デザイン展(公募・博物館)/国際理解ポスター金山良雄氏最優秀賞/デザイン改善研修会 |
6月 | 山陰二科会展 | |
7月 | 明日のデザインを考える島根デザイン会議(玉造) | |
9月 | プラスチックデザイン展 | |
11月 | 第03回芸文祭宣伝美術展(県民会館・応募93入選44)/招待作家展(博物館) | |
1971 | 5月 | 第02回島根商業デザイン展(会員展・博物館)/会報発行/現展島根支部展/曽田祐弘氏県デザイン連盟名誉会員推挙 |
11月 | 第04回芸文祭宣伝美術部門をデザイン部門に改称、県芸文祭デザイン展(県民会館・応募85入選38)/現展島根支部展 | |
1972 | 7月 | 第03回島根商業デザイン展(公募・博物館)/美術協会設立の動き始まる/金山良雄氏個展(松江) |
11月 | 第05回芸文祭デザイン展(県民会館・応募87入選30)/現展島根支部展 | |
1973 | 9月 | 第04回島根商業デザイン展(会員展・博物館)/石野眞氏個展(東京) |
11月 | 第06回芸文祭デザイン展(県民会館・応募51入選33)/山陰中央新報社章、曽田明氏入選採用 | |
1974 | 5月 | 島根デザイナー連盟を島根デザイン連盟と改称/北雅行氏個展(仁万) |
8月 | 会報発行 | |
11月 | 第07回芸文祭デザイン展(県展会館・応募56入選32) 県展移動展(益田市)/寺尾たかし氏個展(益田) | |
1975 | 10月 | 第08回芸文祭デザイン展(県民会館・応募53入選32)/県展移動展(大田市) |
1976 | 11月 | 第09回芸文祭デザイン展(県民会館・応募56入選32)/県展移動展(浜田市) |
1977 | 11月 | 第10回芸文祭デザイン展(県民会館・応募45入選24)/県展移動展(石見町)・石野眞氏個展(東京) |
1978 | 6月 | 第05回島根デザイン展(会員展・博物館)/寺尾たかし氏個展(益田) |
8月 | 第05回島根デザイン展の一部を益田市に於いて展示 | |
11月 | 第11回芸文祭デザイン展(県民会館・応募46入選23)/県展移動展(大田市) | |
1979 | 7月 | 第06回島根デザイン展(会員展・博物館)/金山良雄氏個展 |
11月 | 第12回芸文祭デザイン展(県民会館・応募47入選21)/県展移動展(益田市) | |
1980 | 7月 | 第07回島根デザイン展(会員展・博物館)/石野眞氏個展(松江) |
10月 | ニューヨークタイプディレクターズ展に協賛(松江市・主催JAGDA島根・鳥取) | |
11月 | 第13回芸文祭デザイン展(県民会館・応募49入選20)/県展移動展(益田市)/島根デザイン連盟創立20周年 | |
12月 | 平本映子氏個展(松江) | |
1980 | 1月 | 石野、寺尾、花谷各氏3人展(松江) |
7月 | 第08回島根デザイン展(会員展・博物館)/20周年記念誌発刊 | |
2002 | 10月 | 第17回国民文化祭とっとり2002視察、石野、遠藤 |
11月 | 第35回島根県総合美術展「県展」(島根県立美術館) | |
12月 | 県展移動展 | |
2003 | 11月 | 第01回島根県民文化祭/第36回島根県総合美術展「県展」(島根県立美術館 |
12月 | 県展移動展 | |
2004 | 7月 | 第06回慶尚北道・島根県交流美術展(韓国・安東市)遠藤事務局オープニングセレモニー出席 |
11月 | 第02回島根県民文化祭 第37回島根県総合美術展「県展」(島根県立美術館) | |
12月 | 県展移動展 | |
2005 | 11月 | 第03回島根県民文化祭 第38回島根県総合美術展「県展」(島根県立美術館)) |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2006 | 11月 | 第04回島根県民文化祭 第39回島根県総合美術展「県展」(島根県立美術館) |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2007 | 11月 | 第05回島根県民文化祭 第40回島根県総合美術展「県展」(島根県立美術館) |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) 県外審査員 名城大学人間学部教授 稲垣行一郎氏 | |
2008 | 11月 | 第06回島根県民文化祭 第41回島根県総合美術展「県展」(島根県立美術館) |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) |
島根デザイン連盟沿革(2009~)
2009 | 11月 | 第42回島根県総合美術展デザイン部門(島根県立美術館) |
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12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2010 | 10月 | 第14回松江市民文化祭デザイン部門(松江市総合文化センター・プラバホール) |
11月 | 第43回島根県総合美術展デザイン部門(島根県立美術館)) | |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2011 | 10月 | 第15回松江市民文化祭デザイン部門(松江市総合文化センター・プラバホール) |
11月 | 第44回島根県総合美術展デザイン部門(島根県立美術館) | |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2012 | 10月 | 第16回松江市民文化祭デザイン部門(松江市総合文化センター・プラバホール) |
11月 | 第45回島根県総合美術展デザイン部門(島根県立美術館) | |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2013 | 6月 | 島根デザイン連盟展 2013(島根県立美術館) |
10月 | 第17回松江市民文化祭デザイン部門(松江市総合文化センター・プラバホール) | |
11月 | 第46回島根県総合美術展デザイン部門(島根県立美術館 | |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2014 | 10月 | 第18回松江市民文化祭デザイン部門(松江市総合文化センター・プラバホール) |
11月 | 47回島根県総合美術展デザイン部門(島根県立美術館) | |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2015 | 10月 | 第19回松江市民文化祭デザイン部門(松江市総合文化センター・プラバホール) |
11月 | 第48回島根県総合美術展デザイン部門(島根県立美術館) | |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2016 | 10月 | 第20回松江市民文化祭デザイン部門(松江市総合文化センター・プラバホール) |
11月 | 第49回島根県総合美術展デザイン部門(島根県立美術館 | |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) | |
2017 | 8月 | 「秋山 孝 と 島根のデザイナー展」浜田市世界こども美術館 平成29年 8/10(月)~8/19(土) |
10月 | 第21回松江市民文化祭デザイン部門(松江市総合文化センター・プラバホール) | |
11月 | 祝 石野顧問 秋の叙勲「瑞宝中綬章」受章 平成29年11月10日)/第50回島根県総合美術展デザイン部門(島根県立美術館) | |
12月 | 県展移動展(島根県立石見美術館) |
県外審査員 グラフィックデザイナー
福田繁雄氏/講演会「私の表現世界について」
(松江ワシントンホテル)
県外審査員 イラストレーター山口はるみ氏
県外審査員 九州情報大学教授 宮木英幸氏
県外審査員 多摩美術大学教授 太田幸夫氏