県外審査員プロフィール

勝井 三雄

 勝井 三雄(カツイ ミツオ)氏
 武蔵野美術大学名誉教授

1931年東京生まれ。
味の素株式会社を経て、1961年フリー。
グラフィックデザイン全般の他、1970年大阪万国博、1975年沖縄海洋博、1985年つくば科学博パビリオンのAD、
1990年花博シンボルマーク、 『現代世界百科大事典』(講談社 1971)のAD、「DICカラーガイド」の作成監修
などを手がける。 テクノロジーを使った表現を生かし新たなコミュニケーションの領域を拓く。
武蔵野美術大学名誉教授。カメレオン・プロジェクト代表。JAGDA理事。東京ADC、AGI各会員。 毎日デザイン賞、
東京ADC会員賞、講談社出版文化賞、芸術選奨文部大臣賞、日本宣伝賞山名賞、NY ADC金賞、紫綬褒章、勝見勝賞、
通産省デザイン功労者賞、亀倉雄策賞、ラハチ、ブルノ、メキシコ、ワルシャワ、各国ビエンナーレでグランプリ、
ライプツィヒ世界で最も美しい本展最優秀賞など、受賞多数。

・1990年NYでCG展「APE CALL from TOKYO」他、北京、上海、ポーランドで個展
・2004年富山県立近代美術館「勝井三雄デザイン展・視覚の領界」
・2008年池田20世紀美術館「光の様態・勝井三雄展」
・2009年筑波大学「勝井三雄展・色光の紋章」
・2010年フランス、エシロール・グラフィック月間にて「勝井三雄展」
・2011年名古屋学芸大学「勝井三雄展」を開催

<共著>
・1975 『世界のグラフィックデザイン6 エディトリアルデザイン』(講談社)
・1988 『筋肉はエンジンである』(大修館書房)
・1989 『現代世界のグラフィックデザイン6 コンピュータ・グラフィックス』(講談社)
<著書>
・2003 『勝井三雄・視覚の地平』(宣伝会議)
・2004 『視覚の領界勝井三雄・デザイン』(富山県立近代美術館)
・2008 『光の様態・勝井三雄展』(池田20世紀美術館)
・2009 『勝井三雄展・色光の紋章』(勝井デザイン事務所)

<監修>
・『現代デザイン事典』(平凡社)

<企画・構成>
・2002 『土の記憶』(勝井デザイン事務所)
・2004 『水を誌す』(勝井デザイン事務所 )他

審査総評

  •  今年度は審査日が出雲大社60年遷宮にあたり、それも丁度神 あり月で神々が出雲大社に集まり神事を行なう真っ只中にあたることになった。 古代史を振り返る深い文化を持つ、素晴らしい地に赴く期待感を感 じる久しぶりの訪問であった。
    審査テーマは「島根とその文化、観光」と「自由作品」の2 テーマで、近年よりも多くの作品に充実して取り組んだ後が感じられ、 真摯に向き合った好感の持てるものであった。
    島根の文化と環境という、どちらかというと地元の人たちには漠然 とし、絞りにくいテーマには、やりにくさを感じていたようだが、 それでも60点の応募作品の中で3分の1の20 点が挑戦してくれたことに、まず安堵した。
    選考の皆様によって特 設テーマと自由作品それぞれの推薦作品が選ばれ、その後、選ばれ た全体の作品から厳正な選考が行われ、 選ばれた13点の受賞 候補作品は明快なコンセプトに発した表現力が顕著な作品として、 見事にまとまったものたちであった。
    その中で私は2作品を推薦した。その一つ「あなたの 知らない しまね」は、今回のテーマである「島根の文化と観 光」で「ぜんざい」を暗示させる身近なテーマが、 かえって親しみ と説得力を増している、食器を大胆にアップでレイアウトした写真 表現の作品である。
    更に自由制作で圧倒的緻密さとダイナミックな 造形表現が秀逸であった赤い流動する作品が目をひき、上位賞を争うことになった。
    それぞれ「あなたの 知らない しま ね」が県知事賞に、赤い流動する造形作が金賞に選ばれた。
    受賞された作品はそれぞれ個性に支えられた魅力を示すものであ り、奨励賞には将来に希望を感じる作品が 見出せ、素晴らし い審査会になったことに満足している。
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