県外審査員プロフィール

白木 彰

 白木 彰(シラキ アキラ)氏
 愛知県公立大学法人 愛知県立芸術大学 デザイン・工芸科 デザイン専攻教授

【学 位】 学士(芸術) 愛知県立芸術大学
【専門分野】 視覚伝達デザイン
【研究課題】 「形と色彩で意図を伝える研究」
      キーワード=文字、漢字、図形、絵画、色彩、象徴、伝達、商標
      漢字デザインの研究
【研究教育業績】
<作品>
・国際デザイン博覧会会場ピクトグラムデザイン
・平塚市美術館サインデザイン
・日本福祉大学シンボルマークデザイン
・オクスフォード大学ボドリアン図書館ブックデザイン
・名古屋東部丘稜線リニモグラフィックデザイン(愛知国際博覧会会場アクセス)
・だいどうクリニック新館ロビー壁画デザイン
・愛知県立大学学章デザイン
・長久手町巡回バス総合デザイン
・長久手市ロゴタイプデザイン2012年冬季国体愛知大会総合デザイン

<展覧会>
・2004年 白木彰デザインライフ展 武漢市 湖北美術学院美術館
・2008年 地球文字展 南京市

<著書>
・2003年 Shiraki Akira Design Life「白木彰作品集」 中国遼寧美術出版
・2005年 デザイン基礎実技書「描写」「色彩」 中国華中科技大学出版社
・2008年 Shiraki Akira Design Life「デザイン&エッセー」 時事日本語社

        2010年 エッセー集
       「デザイン屋の散歩道」 みずほ出版

【社会的活動】
<審査>
・2000年 愛知県エイズポスターコンクール審査  –毎年
・2006年 第1回武漢国際ポスターデザインコンペティション審査

<主な海外の講演会>
・2000年 「日本のグラフィックデザインの歩み」中国西安建築科技大学 
・2001年 「作品と私」中国四川大学
・2004年 「デザインの基礎教育」中国大連民族大学 
・2005年 「白木彰デザインライフ」中国中央美術学院 

【受賞歴 ・買い上げ等】
・日本グッドデザイン賞

審査総評

  •  11月8日午後10時12分、ほろ酔い気分で松江駅前のホテルに帰り、明日の県展のデザイン審査のことを考える。 浅酌とは言えこのような時に考えるとは不謹慎きわまりないと反省しながら、さて、明日の審査をどうする?と、酔っぱらいの我が身に問いかけた。 島根県には過去一度しか来たことがなく、島根のことは何も知らないにもかかわらず、安易に県展の審査員を引き受けた。 バチがあたったかな。神の国島根で神から私の審美眼が試されるということか、と覚悟した。 審査当日雨、叱咤の雨か激励の雨か。小雨に曇る宍道湖畔の審査会場で作品を目の前にして思った。う~ん!神の礼節にしたがおう。 島根の作品に対し、まず「尊敬の門」から入り接しようと決めた。作品が何を語りかけ、私に何を教えようとしているか。 敬意をもって無心に作品の声を聞くことから始めた。「島根のことやあなた(作品)のことを教えてください」 わかりやすさは良いデザインの一つの魅力だが、「わかる」ということは頭脳や理屈で理解するだけではない。 かならずどの作品も何かを語りかけてくる。声が聞こえないのは作品の身の丈で接していない証拠だと反省する。神の声なんだから・・・・。 審査の対象になった作品群は、たいへんバラエティーに富み、独創的で作者の強い念いがにじみ出ているものであった。 一般的に地域資源の発信をテーマにするテーマ部門には、郷土に誇りをもった作品が多くなる。 しかし自由部門の作品にも作者のあたたかな愛情に育まれ、表現対象を丁寧に観察して作られた骨太の作品が多いことが印象に残った。 デザインは暮らしそのもの。暮らしの観察をしながら暮らしを楽しんでいる作者たちの姿が思い浮かぶ。 作品は作者の鏡。作者も知らない深層の姿を見せてもらった気がする。 入選した作品の質は高く、これらの作品は、品格、個性、技術、感性、理解、印象、色彩、構成、発想、調和、機微、知性、社会、正義、疑問、新鮮、 信頼、自然、衝撃、理性、風情、時代、愛情、風刺、ユーモアなど、デザインに必要な多面的な要素をうまくとりいれ表現した作品群である。 本展で観賞の折には、どの作品が上記の要素を強く表現しているか、探していただくのも観賞の一つの愉しみになるかもしれない。
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